縫わない手法でいろいろ作ってきたベルトポーチの中でも、最大サイズのベルトポーチです。キーケースとミニ財布が同時に入るくらいのサイズ感です。
今回も本体は一枚革で、ストラップは別に作ったパーツをカシメで留めます。広げた形はとてもシンプルです。
今回は3.5mmと極厚のミッスーリを使ったので、カシメの足の長さが(長足カシメを使ったとしても)足りず、そのままでは打てません。
そこで「のりしろ」ならぬ「打ち込みしろ」の部分を豆鉋で削り、カシメが打てる厚さ(約2mm弱くらい)まで削りました。
上の写真で色の薄い範囲は、鉋で削ったところです。
まずは、下側の折り返し部分にカシメを打ちます。
先ほどの写真の三角形の部分にカシメを打った状態です。この出っ張りが内側に来るように全体をひっくり返していきます。
ひっくり返した状態です。革が厚いのでなかなか力が要ります。内縫い風に仕上がるかと期待していましたが、何となくカバの鼻みたいです^^;
ひっくり返して内側から見るとこんな感じです。このあと、側面と背面に空けた孔の位置を合わせて、カシメで打っていきます。
側面と背面の打込み。打ち台を中に挟んで、外側から打ち棒で打込みます。
打ち台を片手でしっかり押さえつつ、もう片方の手で打込まないと、打っている最中に台がずれてカシメに傷がついてしまうので注意が必要です。
奥から2つ打込んだところです。革が厚いとなかなか大変なので、ここらで一旦休憩します(^_^;)
背面を打ち終わりました。左側には四角カンを付けて、ここにベルトに挟むためのストラップを付けます。
ここは都合4枚の部材を1本の長足カシメで留めるため、厚さを1mm強くらいまで削る部分が出てきます。強度との兼ね合いをみて、どの部材をどれくらい削るか、考えながら少しずつ削っていきます。
先ほどの四角カンにストラップを取り付けます。ジャンパーホック(大)のオスをカシメの代わりにそのまま利用して留めます。
最後にギボシとギボシ孔をあけて完成です。
背面です。
3.5mmの厚みがとても良いですが、ベルトにぶら下げるとちょっと重いのが難点です。
縦長ベルトポーチ(2019.06)
W130mm×D50mm×H170mm
(ストラップは除いた寸法)
イタリアンレザー(ミッスーリ)t=3.5mm、大カシメ(長足)・ジャンパーホック7050、四角カン(No.220-18mm)、10mmギボシ(真鍮)