最初の革制作から3年。
手縫いは難しくてできないと思っていましたが、ひょんなことからできるようになりました。
それまで、手縫いができないなりの工夫を重ねてカシメで小物を中心に作ってきましたが……ついにカシメではどうにもならないものが現れました。
それが、中華鍋の持ち手です。
コロナ禍もあって「おうちご飯」と「鉄鍋」の魅力にハマり始めた時期。中華鍋で料理を作りたいとずっと思っており、鉄鍋と言えばここ! の「クックアンドダインハヤマ」さんで念願の「打出し中華鍋」を購入しました。
持ち手付きの片手鍋で、熱が逃げやすいように持ち手が中空になっています。ちょっとした炒め物くらいなら持ち手が熱くなる前に料理が出来上がりそうですが、麻婆豆腐など長い時間熱する料理では、熱くなって素手では持てそうにありません。
濡れ布巾やミトンは料理中にいちいち巻いたり付けたりするのが大変なので、持ち手に付けるカバーがあるととても便利です。
お店で尋ねてみたところ、以前は販売していたものの、作り手さんがおらず扱っていないとのことでした(その後、販売再開されていると思います)。それならと、いつもの癖で自作することにしました。
中華鍋を買って帰り、カセットコンロで早速最初のシーズニング(焼慣らし)をしていると、やはり持ち手まで熱くなります。シーズニングは濡れ布巾を巻いて行い、いよいよ持ち手の自作を考えます。
単純な円筒形ですが、持ち手を包むように革を巻くとなると、カシメでは留めしろが大きすぎて握りにくく、ボタン(ジャンパーホックなど)は金属なので熱が伝わりそうです。留めしろを小さくするには手縫いしかないと思いました。
今考えると、水を使ったり手に汗握ると真鍮が緑青を吹きそうなので、いずれにせよ金具類は使えないと思います。
東急ハンズで革用の針と蝋引き糸、菱錐や目打ち棒などを買ってきました。慣れない針と糸に最初は戸惑いましたが、売り場で配布していた縫い方の説明を見ながらやってみると、初めてでも何とか縫い進めることができ、慣れてくれば意外と面白く縫えました。
やってみるもんです(^_^;)
中華鍋の持ち手カバー(2021.02)
イタリアンレザー(ミッスーリ)t=3.5mm、蝋引き糸