手縫いで中華鍋の持ち手ができるなら、鞄の持ち手もできそうに思えたので、試みに作ってみました。習った訳ではなく、見よう見まねの独学です^^;
手縫いができるようになったらどうしても作ってみたい鞄があったので、とりあえず持ち手が作れれば、鞄も行けそうな気がしました。
まずは持ち手の芯になる部分をつくります。幅1.5cm、長さ14cmくらいの長方形に切った厚めの革(t=3.5mm)をサンドイッチするように、その2倍強の長さに切ったもう一枚の革(t=2.7mm)で巻きます。
その際、中心合わせで片面をゴムのりで貼り合わせた後、両端に四角カン(幅18mm)をセットしてから、両側から折り返すように巻いてゴムのりで貼り合わせます。四角カンは角田商店さんのNo.220-18mmを使用しました。
革が厚めなので、剥がれないようにクランプで押さえて乾くのを待ちます。ゴムのりはあくまで縫うための仮留め用です。
乾いたら、芯の中心線に沿って菱目打ちを当てて孔の位置を決めます。がっしりとした太い糸を使いたいので、3mm幅、6mmピッチ、目数4本を使用しました。
分厚い革が3枚重なっており相当硬いので、菱目打ちを木槌で打ち込んでもなかなか貫通しません。そこで、位置を決めたら菱錐で一目ずつ孔を空けていきます。指を怪我しないように軍手をはめて慎重に。菱錐を刺す時よりも、引抜く時にうっかり怪我しやすいです。
次に、芯に巻く革の方にも、芯と同じ数だけ孔を空けます。あとで芯と巻き革を縫い合わせるのですが、それぞれに孔を空けてから縫い合わせると縫い目のラインがまっすぐ通ってきれいに仕上がります。
巻き革の方は、芯と合わせる中央部分に1列と、巻いた後に縫い合わせる両端部にそれぞれ1列、合計3列孔を空けておきます。両端部は端から5mmほどの所に空けるとバランスが良いと思います。
芯と巻き革の両方に縫い目を空けたら、太めの蝋引き糸で縫い合わせて行きます。糸の両端に針を付けて、交互に針穴に通して行きます。
一つの孔に左右から針を入れて行きますが、糸の上下関係がクロスしない方が、使っていく中で無理な力がかからずに済むようです。目印として、2本のうちひとつの針をガスコンロで黒く焼いて「黒い方が下」と覚えて使っています。
最初に芯と巻き革を縫い合わせて行きますが、極厚の革4枚分を縫っていくので、なかなか針を通すのが大変です。また、孔を空けてしばらく経つと孔が元に戻ろうとして縮むので、時々菱錐で広げてから針を通します。
完成した持ち手がこちらです。縫い重ねたところの角は「ヘリ落とし」という細い彫刻刀のような道具で面取りをしてから、トコノールを付けて、磨き用のガラス板に当ててゴシゴシ磨いて仕上げます。コバ磨きと同じで、摩擦熱を加えると硬くカッチリと仕上がります。
鞄の持ち手らしくなってきました。太さがある方が手に負担がかかりにくく、持つとき楽です。次回は手縫いの鞄作りです。
鞄の持ち手(2021.03)
イタリアンレザー(ミッスーリ)t=3.5mm,2.7mm、蝋引き糸、四角カン(No.220-18mm)