内縫い口枠鞄(2)

前回の口枠鞄制作から1ヶ月、プレゼント用にもう一つ続けて口枠鞄を制作しました。

本体に使用した革は前回と同じアラスカのアイボリーです。持ち手などツートンカラーのミッスーリの色は、前回は濃いめのチョコ色でしたが、今回は明るめのナチュラル色にしてみました。色合いのイメージはキャラメルムースケーキから。毎回食べ物からのインスパイアで恐縮です…

大きさも、A4サイズがゆったりめに入る一般的なサイズ感で、底マチもやや浅めに絞って持ちやすくしました。

まずは口枠部分を作ります。前回は450mm幅でしたが、今回はワンサイズ小さい400mm幅を採用しました。

作り方は前回と同様ですが、改良点が何か所かあります。留め具には特大サイズのカシメを使用し、さらに内側にはゲタカンと呼ばれる薄い金属板を仕込んで強度を高めています。肩掛け用のDカンも大きいものを使用しました。

本体側にも一手間加えて、内外にポケットを付けました。本体の裏と表に同じサイズの革をセットして、3枚まとめて両側の上端部から少しずつ縫い進めていきます。

ポケットを縫い付けたら、前回同様裏返した状態で側面を縫い合わせます。

側面の底の部分は、まずゴムのりで仮止めしてから目打ち棒で位置を決め、菱錐で縫い穴を開けていきます。上の写真はゴムのりで仮止めし、クランプを外した状態です。

縫い終えたら、表裏をひっくり返します。

本体側に目打ち棒でステッチのラインを空けたら、ゴムのりで仮止めして、菱錐で口枠側にも孔を通します。がっしりと太い蝋引き糸で縫い合わせていきます。

口枠を閉じてみました。ここが一番緊張する瞬間ですが、無事きれいに閉じてくれました(^_^;)

開ける時に引っ張るベロ部分も、今回は少し伸ばしてバネホックで留められるようにしました。後から考えると、バネホックはもう少し大きくしっかりしたサイズのものを使えば良かったと思います。

最後に留め具としてドイツホックを取付け、さらに底板と底鋲を取付けて完成です。

背面です。ポケットは大きめのバネホックで留められるようになっています。

開けると、こんなふうに開きます。

内部には内ポケットと底板が仕込んであります。底板はネジ式の底鋲で本体と固定してあります。


内縫い口枠鞄(2) (2021.05)

W390mm×D140mm×H250mm(持ち手含まず)

イタリアンレザー(アラスカ)t=2.2mm,1.4mm、ミッスーリ(3.5mm,2.7mm)、ドイツホック(真鍮製,メッキ仕上)・バネホック(No.1,No.5)・特大カシメ(13mm足)・四角カンNo.220-18mm・DカンNo.211-18mm・ナスカンNo.310-24mm・尾錠・底鋲KA-404-12(ネジ10mm)(真鍮)、中ポンネジ(本金メッキ)、口枠W400×t3mm(アルミ)、蝋引き糸

おまけ

制作時のメモです。底マチを浅くする場合、口枠の大きさは変わらないので、本体の型紙は台形になります。