イタリアンレザーとの出会い
最初の革制作で、ヌメ革でベルトポーチの試作をしてみて、オーダーメイドの相談をした革鞄工房へ持っていったところ、「これをうちの革で作ってみませんか?」と仰っていただき、そこでイタリアンレザーの一枚革を初めて手にしました。
「ミッスーリ」という名のその革は、しっとりと油分を含み、とても香りも良く、まるで焼きたてのパンのように美味しそうな質感に、とても魅力を感じました。
※イタリアンレザーなど、オイルを含んだタンニン鞣しのナチュラルレザーの魅力は、何と言ってもその経年変化(エイジング)にあり、使い込むと自然にこっくりと艶が増して、色も濃く変化していきます。最初の制作から6年経過しており、エイジングについては別記事で書きたいと思います。
特別に革を切り売りしていただき、前回の試作で気になった所は型紙を修正して、早速ミッスーリで作ってみました。
型紙の作成
最初の試作を見直してカシメの位置、曲線の具合などを修正し、厚紙(工作用紙)で型紙を作りました。左右対称なので、半分の形で作りました。
こうしておくと、革に当てて半分なぞり、型紙をひっくり返してもう半分なぞれば、きれいな左右対称形に転写できます。
革に型紙を当て、「くじり」というキリのような道具を使って革に跡をつけて転写します。ヌメ革よりもオイルレザーの方が、サッとなぞるだけでラインがくっきり出ます。
仕上がり
側面です。上下に2つ並んだカシメの下側の位置を当初よりも若干下方へ移動して、下端の隙間が小さくなるよう修正しました。
金具も、前回は鉄製のアンティーク仕上でしたが、今回は真鍮製に変更しています。真鍮製の金具はコスト的には割高ですが、ナチュラルレザーと同様、エイジングが味わい深いです。
裏側です。ジャンパーホック(小)でベルトに留める形にしていますが、実際に使ってみると座った時にプチッと外れやすかったので、後にジャンパーホック(大)に打ち替えました。
正面フラップ(蓋)を開けた所です。こちらもジャンパーホック(小)を使用していますが、こちらは逆に固くて開けにくかったので、後にバネホックに打ち替えました。
商売道具のコンベックス(巻尺)がぴったり収まって、使い勝手も良いです。
ベルトポーチ(2018.02)
W100mm×D45mm×H90mm
イタリアンレザー(ミッスーリ)t=2.7mm、大カシメ・ジャンパーホック7070(真鍮)
おまけ
しばらくしてから、調子に乗っていろいろなサイズで作ってみました。右から2番目が最初のサイズです。
左端は500円玉が数枚、左から2番目は小さめのコンベックス、右端はコンパクトデジカメが入ります。
並べるとマトリョーシカみたいです^^;
先程の写真右からLサイズ、Mサイズ、Sサイズ3種類の寸法図です。