システム手帳

縫わない革小物の3作目です。こちらも縫わずにカシメと既製品のバインダー金具だけでできています。

以前は人工皮革のシステム手帳を使っていましたが、愛着が湧いてきた頃に劣化してぼろぼろになってしまいました。

長く使える手帳がほしいと思いながら、なかなか気に入ったデザインがなく、手帳を持たずにきましたが、たまたま東急ハンズへ金具を買いに行った時にシステム手帳用のバインダーを見つけ、よしそれなら作ってみようと思いました。

蓋を閉じたところ

サイズに合わせて長方形に裁断して、角を円く落とせば最低限のものは作れますが、それだと芸が無いので、フラップ(蓋)に一工夫してみました。

両端の角の所をつまんで小カシメを打ち、内側に折り込むことで立体的なフォルムをつくっています。この手法は実用的には全く不要で、書くときちょっとだけ邪魔ですが、何しろ形がカバの口みたいに可愛いので気に入っています。

後に小さいショルダーバッグを作りましたが、そのときにも同じ手法でフラップを仕上げました。

フラップの反対側にギボシを付けて、フラップにギボシ用の穴を開けて留めています。ギボシも初めてつかいましたが、これまた可愛い金具です。

ギボシを取り付けた方は内側に折り込んで、間にペンを挿せるようになっています。上の写真はサイズと色違いの2作目。こちらは焦茶色、デロルトというスムースな質感のイタリアンレザーを使用しました。ミッスーリもデロルトも、使用した革が2mm以上と厚いので、ペンを挿す部分の床面(裏側)をカンナがけして少し削りヤスリで整え、仕上げにトコノールで押えています。

側面です。折り込んだフラップが側面の上半分をカバーしています。このあたりの形状はまだ甘く、曲線の形や使い易さも含めて改良の余地ありです。

既製品のバインダーには本体同様クロームメッキの留め具が付属していますが、雰囲気が合わないので真鍮製のバンドネジを別に買って取付けました(これが小さい割にそこそこお値段高め…)。

色違いの3作目です。母の日のプレゼントにデロルトの赤色で作ったものです。作りたてはトマトみたいに真っ赤ですが、使い込むと艶も増し、とても深みのあるえんじ色に変わっていきます。

使い込むほどに味わいの増すオイルレザーは、手帳にもうってつけの材料だと思います。


システム手帳(2018.03)

W145mm×D110mm×H25mm(小)

W190mm×D140mm×H25mm(大)

イタリアンレザー(ミッスーリt=2.7mm、デロルトt=2mm)、バインダー(鉄製?)、ギボシ(大)・バンドネジ(真鍮)