四君子苑

京都にあり、年に2回ほどしか見ることのできない数寄屋造りの住宅。私も訪れたのはまだ一度きりです。

屋外とも屋内ともつかない、開きつつ空間を規定していく渡り廊下。壁と柱と垂壁のリズム、少しクランクしながら奥へと誘う床、両側に見える塀と植栽の対比など、とても音楽的な感覚を受けました。

床面よりも外側に壁を回し、しかもその壁が柱一本で流れの上に浮かんでいます。

流店でも思いましたが、こうした内外の相互貫入の仕方はとても魅力的です。

正面の壁で一旦視線を受け止めつつ、右側に庭と縁側を少し見せています。魅力的なシーンを見せながら、さらに奥へ、次のシーンへと誘う、映画を観ているような空間の経験でした。

この建物は写真撮影が不可なので、一所懸命にスケッチをしました。時間の都合で描けたのはこの2枚だけですが……


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