
塔ノ沢駅
二つの隧道に挟まれた秘境のような駅
子供の頃の夏休みに家族で訪れました
ホームのベンチに腰掛けて皆で食べた
小鯵の押寿司弁当の味を思い出します
もうかれこれ四半世紀前のことですが
駅は何も変らずそこに在り続けており
変らず在ることの有難さを噛みしめて
旅の最後にこの駅で途中下車したのは
最初からここに来たかったからなのか
或いはあの日に帰りたい願望の現れか
由もなく隧道に問いかけてみましたが
ただ茫々とした深淵が在るのみでした
size:A4 画用紙 油性ペン・水彩
ヴィフアール水彩紙(中目)